第62期王位戦七番勝負第4局

将棋

 藤井聡太王位に豊島将之竜王が挑戦する お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負の第4局が、8月18・19日(水・木)に大阪市福島区の「関西将棋会館」で行われ、藤井王位が豊島竜王を140手で破り、七番勝負の成績を3勝1敗としました。

藤井王位はあと1勝で防衛となります。

棋譜解析結果

開始日時:2021/08/18 09:00
終了日時:2021/08/19 19:14
棋戦:お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負第4局
戦型:相掛かり
持ち時間:8時間
消費時間:140▲479△468
場所:関西将棋会館
先手:豊島将之竜王
後手:藤井聡太王位

 

  相掛かり。両者中住まいから角交換しお互いに自陣に角を打ち合う展開。序盤からソフト評価値は先手に振れたまま進みそのまま封じ手に。2日目にはいってすぐ、先手有利になるも後手が逆転。一度、互角になったが再度、形勢は後手に傾きそれ以降は後手が徐々に差を広げながら勝ち切った。一度、優勢になったらそこから終盤の逆転を許さない勝ち方で、評価値のグラフはいわゆる藤井曲線の将棋だった。

局面図

60手目△6四歩

 封じ手の△6二金に対して59手目▲6八玉と先手も玉が一つ寄った局面。ソフト評価値は先手+252とここまで先手側に数字が振れたまま来ているがまだまだ形勢互角。ここからのソフト読み筋は△5五歩(54)▲3八角(56)△3五銀(34)▲4七銀(36)△3四歩(33)▲5八金(49)△3三桂(21)▲6七金(58)△6四角(53)▲6五歩(66)△5三角(64)▲6六金(67)△4一玉(52)。
 本譜は60手目△6四歩。本局で初めて形勢が傾き、先手+415となり先手優勢となった。

87手目▲4五同角

 86手目△4五桂と後手から二枚替えを迫った局面。ここでは、先手+197形勢互角に戻っている。ここでのソフトの読み筋は▲7四歩(75)△同飛(84)▲4五角(36)△6六歩打▲6八金(67)△4五銀(54)▲同飛(48)△7六歩打▲5五飛(45)△4一玉(52)▲2一銀打△7七歩成(76)▲3二銀(21)△同玉(41)▲7七銀(88)△4二銀打▲5一銀打△8五桂(73)。先に▲7四歩を突いてから角で桂馬を取る順。
 本譜は87手目▲4五同角。ソフト評価値は後手+327後手有利に。本譜で初めて形勢が後手に傾いた。

105手目▲6六金

 ▲7五歩に104手目△8四飛とかわした局面。ソフト評価値は後手+302後手有利。▲6八銀打△6九飛成(59)▲4七角打△4九龍(69)▲7四歩(75)△4二玉(52)▲7三歩成(74)△同金(62)▲5八銀打△3九龍(49)▲6六金(57)△3三玉(42)▲4九歩打△2八龍(39)▲6七銀(68)△9七歩打▲同銀(88)△1九龍(28)。
 本譜はここで105手目▲6六金。これが疑問手でソフト評価値は後手+1,143後手優勢となり形勢がさらに傾いた。

111手目▲6七銀打

 前図の後、後手からの桂打ち、9筋の歩を垂らして香で取らせて玉の退路をたったあと110手目△3四角と先手玉を睨んで角打ち。ここでのソフト評価値は後手+1,086で後手優勢のまま。ソフト読み筋は▲1一角成(55)△7八角成(34)▲同玉(89)△6六桂(54)▲同馬(11)△5六金打▲同馬(66)△同飛成(59)▲6八銀打△7六歩打▲5三歩打△4二玉(52)▲3四桂打△3三玉(42)▲6七銀打△7七歩成(76)▲同銀(88)△6六桂打▲8八玉(78)△8九角打▲1一角打△3四玉(33)。
 本譜はここで、111手目▲6七銀打。この手でさらに差が広がりソフト評価値は後手+1,576となり形勢は後手勝勢に広がった。

 その後も形勢は後手優勢以下に迫ることはなく、一度も逆転がなく、140手目△5三玉(先頭図)で先手が投了した。投了図でのソフト評価値は後手+4,930。投了図以下の読み筋は▲8九角打△5七飛成(59)▲5八歩打△同龍(57)▲5四歩打△4四玉(53)▲4六飛打△4五香打▲7六飛(46)△9七歩打▲同銀(88)△7六金(86)▲8八銀(97)△2八飛打▲7一角打△7二金打▲5三歩成(54)△7一金(72)▲4二桂成(34)△9七歩打▲同玉(98)△4二金(32)▲同と(53)△7五金(76)。

コメント

タイトルとURLをコピーしました