渡辺明棋王に糸谷哲郎八段が挑戦する第46期棋王戦五番勝負の第3局が3月7日(日)に新潟県新潟市の「新潟グランドホテル」で行われ、渡辺棋王が133手で糸谷八段を破り、五番勝負の成績を2勝1敗としました。
※日本将棋連盟WEBページより引用
棋譜解析結果
開始日時:2021/03/07 09:00
終了日時:2021/03/07 19:01
棋戦:第46期棋王戦五番勝負 第3局
戦型:横歩取り△3三角型
持ち時間:各4時間
消費時間:133▲238△237
場所:新潟・新潟グランドホテル
先手:渡辺明棋王
後手:糸谷哲郎八段
横歩取り△3三角型。後手糸谷八段の構想が悪く序盤から先手優勢にそのまま先手勝勢から必勝形に進むも延々と後手が粘り続けやがて局面がおかしくなり一瞬互角に戻すところも。そこで、先手渡辺棋王が踏ん張りすぐに先手勝勢に戻し勝ち切った。
局面図
32手目△1四飛
序盤からいきなり先手が指しやすい局面が続く。図は31手目▲1六歩と飛車の退路の伺いをたてたところ。ソフト評価値は先手+215と局面互角ながらも先手が指しやすいところ。ソフトの推奨手順は△6五飛(15)▲7四飛(34)△7二銀(71)▲3三角成(77)△同桂(21)▲7七桂(89)△6四飛(65)▲同飛(74)△同歩(63)。
本譜は32手目△1四飛と飛車交換を狙ったがソフト評価値は先手+882といきなり先手優勢に。このあと延々と先手優勢から先手勝勢のまま指し続けられることになる。
73手目▲7七金
72手目△6五玉の局面。後手玉が中段でフラフラと王手を逃れた局面。この時点でソフト評価値は先手+3,737で先手必勝。ただし、アベマ解説では数十手先手勝勢が続きソフト評価値では先手必勝であるが、人間が観るとすでに先手変調であり差がないように見えるとのことであった。ここでのソフト読み筋は▲4五銀(34)△3五金(36)▲7七桂(89)△7六玉(65)▲3三角成(55)△6四飛打。
本譜は73手目▲7七金。ソフト評価値は先手+1,745と先手勝勢ながら若干差が詰まった。
111手目▲6六同歩
110手目△6六歩の局面。ソフト評価値は先手+1,833で先手勝勢。ソフト的には先手勝勢がずっと継続しているが、人間的にはすでにわからなくなってる局面とのこと。ソフト読み筋は▲8四飛打△9二玉(83)▲8二飛打△9一玉(92)▲6四桂打△6七歩成(66)▲同玉(68)△6六歩打▲7七玉(67)。
本譜はここで、111手目▲6六同歩と歩を取った(次図)。この手で32手目から続いていた先手優勢が途切れてソフト評価値は先手+53と形勢互角になった。
112手目△6五桂
111手目▲6六同歩の局面。ソフト読み筋は△6七歩打▲同玉(68)△4六銀打▲5九飛打△6五歩打▲9五桂打△8二玉(83)▲7四歩打△5七銀成(46)▲7七玉(67)△5二歩打▲8七玉(77)△6七角打▲7三歩成(74)△同玉(82)▲6八桂打△5六成銀(57)▲7四歩打△6二玉(73)▲3八金(28)△4六馬(47)▲5六飛(59)△同角成(67)▲同桂(68)△5七飛打▲9六玉(87)△5六飛成(57)▲4七銀打△7九馬(46)▲8四角打△7一玉(62)▲9三角成(84)△8二銀打▲同馬(93)△同玉(71)▲5六銀(47)。感想戦では、△6七歩▲同玉△6五歩では先手の勝ちとされていたがソフトは△4六銀で受けないと先手負けと読んでいるようである。
本譜は112手目△6五桂と工夫の一手が出たが、ソフト評価値は先手+2,311で先手勝勢に戻り、一瞬のチャンスを逃したように見える。
その後は先手勝勢から変わらずリードを広げて勝ち切った。
最初の投了図の局面は先手+6,675でソフトの読み筋は△6二飛打▲7三成桂(83)△8二歩打▲6二成桂(73)△6七銀(66)▲7八銀打△同銀成(67)▲同玉(79)△5二歩打▲6三飛成(53)△6二金(61)▲同龍(63)△9四桂打▲7五金(86)△6七歩打▲同玉(78)△8三銀打▲5二角成(74)△5五歩打▲同香(56)△2七歩成(26)▲同金(28)。
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