渡辺明棋王に糸谷哲郎八段が挑戦する第46期棋王戦五番勝負の第1局が2月6日(土)に東京・将棋会館で行われ、糸谷八段が128手で渡辺棋王を破り、五番勝負の成績を1勝0敗としました。
※日本将棋連盟WEBページより引用
棋譜解析結果
開始日時:2021/02/06 09:00
終了日時:2021/02/06 18:53
棋戦:第46期棋王戦五番勝負 第1局
戦型:雁木
持ち時間:各4時間
消費時間:128▲239△232
場所:東京・将棋会館
先手:渡辺明棋王
後手:糸谷哲郎八段
お互いに雁木に組んで序盤から先手が指しやすい展開。ずっと先手有利で進んだが90手付近で逆転。一度が互角に戻ったが終盤の一手で形勢が後手に大きく傾き、後手糸谷九段が押し切った。
局面図
87手目▲7五銀
序盤からずっと先手がペースを握っている。図は86手目△3三角の局面。4二から3三に角が覗いた強気の一手。ここではソフト評価値は先手+988で先手優勢。ソフトの読み筋は▲4四歩打△同角(33)▲5一銀打△同玉(62)▲4五金(56)△5三角(44)▲5五桂打。
本譜は87手目▲7五銀と飛車取りに銀を打ったがこれによりソフト評価値は後手+355になり、ここに来て初めて形勢が後手有利となった。
101手目▲7四馬
図は100手目△7七歩の局面。▲6九歩と先に受けたのに対して歩を垂らしたところ。後手がリードしたのち一時は後手有利にまで差が広がったが徐々に追いつきこの局面のソフト評価値は先手+28と完全に形勢互角に戻っている。ここでのソフト読み筋は▲8八角(97)△2七飛打▲6七銀打△3五玉(44)▲7七角(88)△7六歩打▲同銀(87)△同桂(64)▲同銀(67)△6四銀打▲9一馬(73)。
本譜はここで101手目▲7四馬。この手が緩手でソフト評価値は後手+1,868となり形勢は一気に後手勝勢に振れた。
125手目▲8九玉
最終盤。図は124手目△6八金と王手の局面。玉が逃げても駒を補充しながら詰めろが続くので、解説も終わった感が出てるとこ。ソフト評価値はそれでも後手+3,130で後手勝勢ながらまだまだ逆転がある評価値。ここでの読み筋は▲8七玉(78)△6六銀成(57)▲9五歩(96)△9四歩(93)▲3四飛成(32)△同金(43)▲4一飛打。
本譜は125手目▲8九玉と下段に逃げた。ソフト評価値は後手+9,793と大差になりその後3手指したところで128手目△6六銀成の局面で先手投了した。最初の図面が投了図。
コメント