第62期王位戦七番勝負第2局

将棋

 藤井聡太王位に豊島将之竜王が挑戦する、お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負第2局が、7月13・14日(火・水)に、北海道旭川市「花月会館」で行われ、藤井王位が102手で豊島竜王に勝ち、1勝1敗としました。
※日本将棋連盟WEBページより引用

棋譜解析結果

開始日時:2021/07/13 09:00
終了日時:2021/07/14 18:59
棋戦:お~いお茶杯第62期王位戦七番勝負第2局
戦型:角換わりその他
持ち時間:8時間
消費時間:102▲479△475
場所:北海道旭川市「花月会館」
先手:豊島将之竜王
後手:藤井聡太王位

 角換わり早繰り銀同士の急戦。後手が角を打ったあたりから先手が先行。一瞬緩むも先手有利で進んだが、難しい局面が進み逆転。最後は頓死っぽい状態を見逃さず先手が即詰みで仕上げた。これまでの対戦成績は豊島竜王が7勝1敗と圧倒的に勝っていたがこの1番は本シリーズ的にも今後の対戦にも大きな一番だったと思われる。

局面図

40手目△5四角

 図は39手目▲3五同銀と3五の地点で歩を交換した局面。評価値は先手+3形勢互角。ソフト読み筋は△7六歩(75)▲同銀(77)△3四歩打▲2四歩(25)△同歩(23)▲同銀(35)△同銀(33)▲同飛(28)△2三歩打▲3四飛(24)△8六歩(85)▲同歩(87)△同飛(82)▲8七金(78)△8二飛(86)。
 本譜はここで、40手目△5四角と角を打った。この手はソフト的に評価が低く、評価値は先手+331先手有利となり、本局で初めて形勢が傾いた。

65手目▲5五銀

 64手目△8六歩と飛先の歩を突いた局面。ここまでは、ずっと先手有利が継続しており、ここでもソフト評価値は先手+332先手有利。ここでのソフト読み筋は▲同歩(87)△同飛(82)▲8七歩打△6六銀(55)▲8六歩(87)△7七歩成(76)▲同桂(89)△7六歩打▲9一角成(28)△4五角(54)▲5六香打△7九銀打▲同金(78)△7七歩成(76)▲5九玉(68)△6七と(77)▲6八銀打△5六角(45)▲9二飛打△7二歩打▲5六歩(57)△5八と(67)▲同玉(59)△4五桂(33)▲3三歩打△同銀(44)▲3六飛(26)△3五歩打と歩交換に応じて後手から攻めさせる順。
 本譜は65手目▲5五銀と銀を取ったがこの手でソフト評価値は0となり形勢互角に戻った。

70手目△8八金

 

 69手目▲7八同玉の局面。と金を玉で払い、先手玉が薄くとても危ない局面。それでも、ソフト評価値は先手+40で形勢互角。ソフト読み筋は△7七金打▲同桂(89)△同歩成(76)▲同玉(78)△7六歩打▲同玉(77)△8八飛成(82)▲6三銀(54)△7五歩打▲同玉(76)△8三桂打▲7六玉(75)△5八龍(88)▲8四銀打△8八龍(58)▲8七歩打△6二歩打▲9一角成(28)△6三歩(62)▲8一馬(91)△7四銀打▲8六銀打△7八龍(88)▲7七金打△6八龍(78)▲3四桂打△5二玉(42)▲6六香打
 本譜は70手目△8八金と玉の横から金を打ったが、ソフト評価値は先手+437となり再び先手有利に。

81手目▲6九銀

 80手目△8九龍と王手で桂を入手した局面。ここでも評価値は先手+437と先手有利のまま。ソフトの読み筋は▲4八玉(59)△4四銀打▲3三桂成(45)△同銀(44)▲9一角成(28)△3四桂打▲3六飛(26)△2九龍(89)▲7五角打△5三桂打▲同角成(75)△同玉(42)▲4五桂打△4二玉(53)▲5三銀打△3一玉(42)▲3三桂成(45)△同金(32)▲4二銀打。
 本譜はここで、81手目▲6九銀としたが、この手が悪くソフト評価値は後手+385と逆転。後手有利となり終盤になって本局で初めて形勢が後手に傾いた。

88手目△6四同歩

 87手目▲6四歩の局面。先手が攻めの継続手を指したが、ソフト評価値は後手+631と後手有利でじりじりと差を広げてきているところ。ソフトの読み筋は、△7四銀打▲5三桂成(45)△同銀(44)▲6三歩成(64)△7五銀(74)▲5三と(63)△5二金(61)▲7八銀打。
 本譜は、88手目△6四同歩と応じたが、この手は悪くソフト評価値は後手+185形勢互角に戻った。

89手目▲6四同角右

 前図の続きで88手目△6四同歩と応じた局面。ソフト評価値は後手+185形勢互角でソフト読み筋は▲7八銀打△8五龍(89)▲6四角(28)△7四香打▲4二角成(64)△6二玉(51)▲6四角(75)△5二金(61)▲同馬(42)△同玉(62)▲3二歩成(33)△4五龍(85)▲4二と(32)△6三玉(52)▲9一角成(64)△7三桂(81)▲4三と(42)△3五銀(44)▲8一馬(91)△6四玉(63)▲7一馬(81)△6一桂打▲2五飛(26)△2四銀打▲4四と(43)△5五龍(45)▲5六歩(57)△同龍(55)▲6七銀(78)△5五龍(56)▲5七香打△8六角打▲4九玉(59)△4四龍(55)▲同馬(71)△同銀(35)▲8二飛打△2五銀(24)▲8六飛成(82)△8五歩打▲3一角打と一旦、受けに回る順。
 本譜は89手目▲6四同角右と指し、ソフト評価値は後手+922と一瞬のチャンスを逃して後手優勢となた。

91手目▲6三銀

 前図の直後、90手目△7七桂打と先手玉に迫った局面。ソフト評価値は先手+677先手有利。ソフト読み筋は▲6八金(58)△6九桂成(77)▲同金(68)△7七歩成(76)▲7九歩打△8八龍(89)▲7八桂打△4五銀(44)▲6三銀打△4一香打▲3一角成(64)△6二歩打▲2二馬(31)△3七歩成(36)▲同桂(29)△3六桂打▲4九玉(59)△6三歩(62)▲3八玉(49)△8五龍(88)▲3一角成(75)△6二玉(51)▲7五金打△3五銀打▲2三飛成(26)△7五龍(85)▲同馬(31)△2八金打▲同龍(23)△同桂成(36)▲同玉(38)△2七歩打▲3九玉(28)でありしっかり受けておけばまだまだのところ。
 本譜は91手目▲6三銀と指したが大悪手。図の局面は先手玉に詰め路がかかっているのを見落としてトン死が発生した。互角の局面から、先手が2手連続悪手で、この後、後手は23手詰めを詰ませた。

 102手目△2六龍で先手投了となった。投了図(先頭の図)以下は▲同玉(16)△3五金打▲1七玉(26)△1六香打▲同玉(17)△2六飛打▲1七玉(16)△2八飛成(26)▲1六玉(17)△2六龍(28)の詰み。

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