第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局

将棋

 藤井聡太棋聖に渡辺明名人が挑戦する、第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局が、7月3日(土)に静岡県沼津市「沼津御用邸東附属邸第1学問所」にて行われ、藤井棋聖が100手で渡辺名人に勝ち、3連勝にて棋聖防衛を決めました。
※日本将棋連盟WEBページより引用

棋譜解析結果

開始日時:2021/07/03 09:00
終了日時:2021/07/03 19:14
棋戦:第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局
戦型:矢倉
持ち時間:4時間
消費時間:100▲239△239
場所:静岡県沼津市「沼津御用邸東附属邸第1学問所」
昼休前消費時間:42手4分
先手:渡辺明名人
後手:藤井聡太棋聖

 急戦矢倉で後手袖飛車の戦型。先手が急戦を仕掛け若干先行するも後手有利に。その後も局面は大きく揺れ動き最後は先手頓死気味で勝負がついた。人間には何回すぎるようで名局との声まあるようです。

局面図

71手目▲5四歩

 図は▲2二飛成と角を取って強襲したてに70手目△2二同金と応えた局面。しばらく後手が良い局面が続いており、ここでのソフト評価値は後手+724後手有利。ここでのソフト読み筋は▲3一角打△3九飛打▲5九桂打△4二銀打▲4四桂打△4三玉(52)▲2二角成(31)△4六歩(45)▲3二馬(22)△4四玉(43)▲4二馬(32)△6四角打▲4三金打△同銀(34)▲4五銀打△同玉(44)▲4六歩(47)△3六玉(45)▲4三馬(42)△7七桂打▲同歩(78)△同歩成(76)▲4七銀打△2七玉(36)▲1八金打△2六玉(27)▲4四馬(43)△2五玉(26)▲7七金(87)△同飛成(75)▲7八歩打△8七銀打。
 ここで先手は71手目▲5四歩で次の図。

72手目△5四同銀

 前図から1手進んで71手目▲5四歩と歩を取り込んだ局面。相手玉に迫る手であるがソフト評価値は後手+1,660後手勝勢と大きく形勢が後手に傾いた。ここでの読み筋は△4六歩(45)▲4四角打△6四銀打▲5三金打△5一玉(52)▲6三金(53)△7七歩成(76)▲同角(44)△4七歩成(46)▲同金(58)△8九飛打▲7九銀打△5八銀打▲同玉(69)△7九飛成(89)▲5二銀打△4二玉(51)▲5三歩成(54)△同銀(64)▲4三歩打△3二玉(42)▲5三金(63)△7八龍(79)▲6八桂打△6九角打▲5七玉(58)△6六銀打▲同歩(67)△7七飛成(75)▲同金(87)△同龍(78)▲6七銀打△2三玉(32)。
 本譜は72手目△5四同銀と歩を取ったがこの手により形勢は逆転。ソフト評価値は先手+565先手有利に。

87手目▲2二角成

 86手目△8八同飛成と8八の地点で金銀交換しながら龍を作った局面。ここでのソフト評価値は先手+1,323先手優勢。ソフト読み筋は▲7四銀打△7八角打▲5九玉(69)△7九龍(88)▲4八玉(59)△5六桂打▲3八玉(48)△5四歩(53)▲7三銀(74)△同玉(62)▲5九歩打△4九銀打▲2八玉(38)△9九龍(79)▲5三角成(31)△2五香打▲2六歩打△同香(25)▲同馬(53)△6四玉(73)▲6一飛打△6三金打▲7六香打△7五歩打▲6二馬(26)△4六歩(45)▲6三馬(62)△5五玉(64)▲6四馬(63)△4四玉(55)▲4一飛成(61)△4三銀打▲5三銀打△3三玉(44)▲4六馬(64)△3五桂打▲4二龍(41)△2三玉(33)▲2四歩打△1四玉(23)▲2六金打△6七角成(78)▲1六歩(17)△2七金打▲同金(26)△同桂成(35)▲同玉(28)△2六歩打▲3七玉(27)。
 本譜は7四からの銀捨ての妙手が見えず87手目▲2二角成と金を取りながら馬を作った。この手で形勢は逆転して後手+297形勢互角ながら後手の指し易い局面となった。

95手目▲6三金

 図は▲5二銀の王手に94手目△7四玉と交わしたところ。この局面では差が広がってきており、後手+1,750とすでに後手勝勢の局面。ここでのソフト読み筋は] ▲6三銀打△8三玉(74)▲4八玉(59)△7九金(78)▲7二銀(63)△9四玉(83)▲3四馬(44)△4六歩(45)▲8三銀打△同飛(73)▲同銀(72)△同玉(94)▲4三飛打△9四玉(83)▲6六歩(67)△同歩(65)▲4五飛成(43)△5五金打▲3五龍(45)△4七歩成(46)▲同玉(48)△7七龍(88)▲6七歩打△6九角打▲9六歩(97)△6七歩成(66)。
 本譜はここで95手目▲6三金。この手で評価値は後手+4,048後手必勝の局面となった。
 人間的にはまだまだ難解との評価であり96手目の△7一飛が大絶賛されていたが、ソフトの読みてきには▲6三金以降は、△7九龍(88)▲4八玉(59)△3九角打▲3七玉(48)△2八角成(39)▲4八玉(37)△8三飛(73)となっていた。

 本譜は96手目の△7一飛に対する▲7一同馬で先手玉に即詰みが発生してしまい、その後数手で投了となった(先頭が投了図)。投了図以下は、▲3七玉(48)△3九龍(79)▲3八飛打△同龍(39)▲同玉(37)△2八飛打▲3七玉(38)△2七金打▲3六玉(37)△2五角打。

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