渡辺明棋王に糸谷哲郎八段が挑戦する第46期棋王戦五番勝負の第4局が3月17日(水)に東京都渋谷区の「東郷神社」で行われ、渡辺棋王が98手で糸谷八段を破り、五番勝負の成績を3勝1敗として棋王位を防衛しました。渡辺棋王は棋王戦9連覇となります。
※日本将棋連盟WEBページより引用
棋譜解析結果
開始日時:2021/03/17 09:00
終了日時:2021/03/17 17:08
棋戦:第46期棋王戦五番勝負 第4局
戦型:角換わりその他
持ち時間:各4時間
消費時間:98▲184△196
場所:東京・東郷神社
先手:糸谷哲郎八段
後手:渡辺明棋王
角換わり腰掛銀対角換わり棒銀の対決。序盤は先手チャンスがあったようだが、それを逃したあとは、先手が先行して馬を作るも辞形勢が徐々に後手に傾き後手が短手数で勝ち切った。
局面図
39手目▲4五銀
図は38手目△4二金の局面。後手が△2二玉と入城したあと▲3六歩に対して金を寄せて固めた局面。ソフト評価値は先手+165で形勢互角ながらもやや先手に傾いている。ソフト読み筋は▲7七歩打△7五歩打▲6五銀(76)△7三銀(84)▲5四銀(65)△8六歩(85)▲同歩(87)△同飛(82)▲8八歩打△9四歩(93)▲7二角打△9五歩(94)▲3五歩(36)△4四銀(33)▲6三銀成(54)△3五銀(44)▲7三成銀(63)△同桂(81)▲5四角成(72)△3三金(42)▲3六歩打△4六銀(35)▲4一銀打△8四飛(86)▲3二銀成(41)△同金(33)。36手目からこの局面までソフト評価値は先手に少し傾いており、先手に少しチャンスがあったのかも知れない。
本譜は39手目▲4五銀と指し、ソフト評価値は後手+98で形勢互角で少し後手に傾いた。
55手目▲5四銀
図は54手目△6二飛の局面。駒割りは全くの互角で先手が一方的に馬を作っているが玉形の違いが大きい。ソフト評価値は後手+210で形勢互角ながらも徐々に後手に形勢が傾きつつある。ここでのソフトの読み筋は▲3五歩(36)△同歩(34)▲6八玉(59)△5五歩(54)▲1四歩(15)△同歩(13)▲同香(19)△同香(11)▲3四歩打。
本譜は55手目▲5四銀。△5六歩打の攻めを受けることになり、ソフト評価値は後手+835で後手優勢となった。
71手目▲3五歩
70手目△7六飛の局面。自陣にいた飛車で歩を払ったところ。ソフト評価値は後手+1,252で後手優勢で差がかなり開いてきている。ソフトの読み筋は▲2四歩(25)△同歩(23)▲8二歩成(83)△5五歩打▲6七馬(56)△7五飛(76)▲7六歩打△8五飛(75)▲9一と(82)。
本譜は71手目▲3五歩。ソフト評価値は後手+1,606で後手勝勢となりますます差が拡大した。
このあとも、確実に差が広がって行き、98手目△7六金で先手投了となった(先頭図)。投了図からは、▲7六同歩(77)△7四飛打▲6六玉(75)△7六飛(74)▲5五玉(66)△4四銀(33)までの7手詰み。
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