第33期竜王戦七番勝負第1局

将棋

豊島将之竜王に羽生善治九段が挑戦する第33期竜王戦七番勝負第1局が、10月9・10日(金・土)に、東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」にて行われ、豊島竜王が52手で羽生九段に勝ち、開幕局を制しました。
※日本将棋連盟WEBページより引用

棋譜解析結果

開始日時:2020/10/09 09:00
終了日時:2020/10/10 16:12
棋戦:第33期竜王戦七番勝負 第1局
戦型:矢倉
持ち時間:各8時間
消費時間:52▲402△424
場所:東京・セルリアンタワー能楽堂
先手:羽生善治九段
後手:豊島将之竜王

 矢倉の出だしから後手豊島竜王がいきなり桂馬を跳ねて急戦を仕掛けた。お互い居玉のまま進み26手目という歴史的な短手数の局面が封じ手となった。封じ手から数手で局面は後手に傾きそのまま52手という短手数で後手が勝ち切った。

局面図

29手目 ▲1一角成

 図は封じ手の▲2七同飛車に対して△4五桂と桂馬を跳ねたところ。ここまでは一番可能性が高いと想定されていた局面であり両対局者が一晩かけて検討した局面と思われる。この局面の評価値は先手+27形勢互角。ここでソフトの読み筋は▲5八金(49)△5七銀打▲6九桂打△8六歩(85)▲同歩(87)△5八銀成(57)▲同玉(59)△8六飛(82)▲8八歩打△7五歩(74)▲8七銀打△同飛成(86)▲同歩(88)△7六歩(75)▲8五桂(77)△2六歩打▲同飛(27)△3五角打▲4六飛(26)△同角(35)▲同歩(47)△5七銀打▲同桂(69)△同桂成(45)▲同玉(58)△5九飛打▲5八銀打△3九飛成(59)▲8一飛打。しばらく先手が受け続けたのちに攻め合う順。
 本譜はここで29手目▲1一角成と香車を入手。この手はソフト的には良くなく評価値は後手+513後手有利に。
 ここまで、均衡を保ってきた激しい将棋がここで初めて後手に局面が傾いた。

43手目 ▲2三飛成

 図は42手目△4四歩と先手が馬を作って桂馬にあてたのを歩を進めて受けた局面。この手は若干緩手でこの時点での評価値は後手+231形勢互角に戻ったところ。ここでのソフトの読み筋は▲5八金(49)△2八歩打▲同飛(27)△7五馬(76)▲4八銀(39)△3九銀打▲2五飛(28)△4八銀成(39)▲同金(58)△5七銀打▲4九金(48)△2四歩打▲2八飛(25)△6三金(52)▲6七銀打△5四金(63)▲7六歩打△8四馬(75)。ひたすら受ける順。
 本譜はここで、43手目 ▲2三飛成と攻めにでた。評価値は後手+758となり再び後手有利となった。

47手目 ▲6四馬

 数手進んで、46手目△5七銀打と打ち込んだところ。この時点で後手+955と後手がじりじりと差を広げて後手優勢の局面。ここでのソフト読み筋は▲8八歩打△8七歩打▲同歩(88)△同飛成(86)▲8八歩打△8三龍(87)▲4六歩(47)△6八銀成(57)▲同金(79)△8八龍(83)▲5八銀打△2一香打▲同龍(22)△同銀(32)と受けまくる順。
 本譜は47手目▲6四馬と飛車にあてた。この手で評価値は後手+3386となり後手勝勢となった。

 このあとは数手進んだ52手目△5七香の局面が最初の図。評価値は後手+6098後手必勝形となりこの手で投了となった。

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