永瀬拓矢王座に久保利明九段が挑戦する第68期王座戦五番勝負第4局が、10月6日(火)に、兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」にて行われ、久保九段が201手で永瀬王座に勝ち2勝2敗のタイとなりました。
※日本将棋連盟WEBページより引用
棋譜解析結果
開始日時:2020/10/06 09:00
終了日時:2020/10/06 21:24
棋戦:第68期王座戦五番勝負 第4局
戦型:四間飛車
持ち時間:各5時間
消費時間:201▲300△300
場所:兵庫・ホテルオークラ神戸
先手:久保利明九段
後手:永瀬拓矢王座
先手久保九段の四間飛車に後手永瀬王座が舟囲いで対抗。お互いに玉を固めたあとの長い中盤戦のあとお互いに敵陣に龍や馬を作ってのはがしあい。攻め合いになってからは徐々に後手が優勢を広げて一時は評価値が後手+7824とソフト的にみて後手必勝形をきずいた。ただし、こういった将棋は人間には難しいらしくて指す手がソフト的にみたら全て悪手という状況。評価値も一手毎に乱高下したが、局面が後手に振れてからは一気に後手が寄せ切った。人間から見たら優劣がさっぱりわからない難しい将棋であり名局だったという評価だそうです。
局面図
173手目 ▲4二角成
図は172手目の局面で▲4六桂に対して△2四香と打った局面。すでに相当手数が進んでいるがこのあたりまではずっと後手が有利で進んできた。実はこの▲4六桂、△2四香がソフト的には悪手。評価値は後手+732→(▲4六桂)→後手+4020→(△2四香)→後手+902となっており、ずっと後手優勢の状況である。ここでのソフト読み筋は▲3一龍(91)△同金(32)▲3四桂(46)△1二玉(22)▲2八銀打△7九飛打▲4九歩打△2八龍(39)▲同玉(19)△2七香成(24)▲同銀(38)△同銀成(36)▲同玉(28)△7五飛成(79)。本譜はここで173手目▲4二角成と金を補充しに行ったがこの手はソフト的には大悪手。評価値は後手+7824で後手必勝となった。
176手目 △3一銀
図は前の図から▲4二角成△4二同銀に対して▲2八金打と自陣を固めた局面。△4二同銀も疑問手でありここでの評価値は後手+4933とまだ後手必勝の局面。ここでのソフト読み筋は△3七銀(36)▲同銀(38)△2七香成(24)▲1八銀打△同成香(27)▲同金(28)△2七銀打▲同金(18)△1八歩打▲同玉(19)△3八銀打と後手から攻める順。本譜はここで176手目△3一銀と銀を引いた。この手が大悪手で評価値は先手+793と本局で初めて先手有利となった。
186手目 △1六歩
図は△4五角に対して▲1八銀と銀を打って受けた局面。前の図からはお互いに疑問手があって一時を互角になったがここでは先手+655と先手有利。ここでソフトの読み筋は△2七角成(45)▲同銀(18)△4六角打▲2八角打△2六銀打▲1四歩(15)△1七銀成(26)▲同角(28)△1五香打▲1六香打△4八龍(39)の順。本譜はここで、186手目△1六歩と指した。この手が悪かったようで、評価値は先手+2793となり先手勝勢となった。結局この手が敗着となりここからは一気に先手がリードを広げて201手で長い将棋を勝ち切った。最初の図面は投了図。
コメント