第61期王位戦七番勝負第4局

将棋

木村一基王位に藤井聡太棋聖が挑戦する第61期王位戦七番勝負の第4局が8月19・20日(水・木)に福岡県福岡市の「大濠公園能楽堂」で行われ、藤井棋聖が木村王位を80手で破り、七番勝負の成績を4勝0敗として自身初の王位獲得を果たしました。
※日本将棋連盟WEBページより引用

棋譜解析結果

開始日時:2020/08/19 09:00
終了日時:2020/08/20 16:59
棋戦:第61期王位戦七番勝負 第4局
戦型:相掛かり
持ち時間:各8時間
消費時間:80▲446△420
場所:福岡・大濠公園能楽堂
先手:木村一基王位
後手:藤井聡太棋聖

 相掛かりの序盤から先手木村一基王位が工夫。後手藤井聡太棋聖の封じ手は人間的には驚きの一手であったがソフト的には最善手。そこまでは互角であったがその後、先手に大きなミスはないものの徐々に後手がリードを保ち、一度も逆転がないままそのまま押し切った。

局面図

42手目△8七同飛

 41手目▲8七銀の局面。ここで後手藤井聡太棋聖が封じた。人間的には△2六飛と一旦飛車を逃げるところだが、封じ手は△8七同飛車成。ソフトの最善手も△8七同飛車成。42手目△8七同飛車成の局面での評価値も+-0で全くの形成互角。実はこの時のソフト読み筋は△同飛成(86)▲同金(78)△3三角打▲6六角打△1五角(33)▲同香(17)△7五銀打▲5五角(66)△7三桂(81)▲8八金(87)△6四銀(75)▲6六角(55)△7五銀(64)▲5五角(66)となっており、お互い最善手をえらんだ場合には千日手になると読んでいた。

45手目▲5五角

  44手目3三角打の局面。封じ手からソフト読み筋どおり進んでおり評価値は0で形勢互角のまま千日手に向かっている状況。ここでソフト読み筋では▲6六角打なのに対して本譜は▲5五角。この手でソフト読み筋も千日手からは離れて評価値は後手+285となり形勢は後手やや有利に傾いた。

51手目▲8六同金

 50手目△8六歩と叩いた局面。この時点での評価値は後手+326となり形勢は後手有利。ソフト読み筋は▲9七金と金を横にかわす手であったが、本譜は51手目▲8六同金。この手で形勢は後手有利のままであるが評価値は後手+590と少し後手のリードが広がった。

57手目▲6六同歩

 56手目△6六角と後手側から角交換を挑んだ局面。評価値は後手+522で後手有利のまま。ここでソフトは▲同飛を推奨していたが、本譜は57手目▲6六同歩。この手がやや悪く評価値は後手+946と差が広がり後手優勢となった。

61手目▲6五桂

 60手目△9九と香車を取った局面。評価値は後手+1,193と少し差が広がった後手優勢の局面。ここでのソフト読み筋は▲1六飛と後手からの香打に備える手。本譜は61手目▲6五桂と攻め合いを目指したがこの手はやや無理筋であり評価値は+2,026で後手勝勢になった。この後は先手確実に寄せていき、80手で先手投了となった。最初の図面は投了図。

 

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