第78期名人戦七番勝負第6局

将棋

豊島将之名人に渡辺明二冠が挑戦する、第78期名人戦七番勝負第6局が、8月14・15日(金・土)に、大阪府大阪市「関西将棋会館」にて行われ、渡辺二冠が99手で豊島名人に勝ち4勝目を挙げ、名人を奪取しました。
※日本将棋連盟WEBページより引用

棋譜解析結果

開始日時:2020/08/14 9:00:00
終了日時:2020/08/15 17:38:00
棋戦:名人戦
場所:関西将棋会館
持ち時間:9時間
消費時間:99▲427△490
先手:渡辺 明 二冠
後手:豊島将之 名人
戦型:矢倉

 多少形勢は揺れながらもほぼ互角のまま70手近く進む。先手渡辺三冠がやや指しやすい局面で78手目の後手豊島名人以降はっきり先手有利となりその後はリードを広げて先手渡辺三冠が勝利した。最近は豊島名人は負けが混んでおり終盤あっさり押し切られる形が多い。なお、観戦記等では73手目の▲5三歩が人間的には好守だったらしい。

局面図

54手目△3三角

 図は53手目▲1三歩と垂らした局面。ここまではずっと互角でありこの局面は後手+136。ここで後手△3三角が疑問手。評価値は先手+383と初めて優劣がついて先手有利となる。ソフト推奨手は△1三同香でした。

55手目▲6五歩

54手目△3三角の局面。ここでのソフトの読み筋は▲5四歩。本譜は▲6五歩と指したがこの手が疑問手で評価値は後手+82となり一瞬で互角に戻った。

73手目▲5三歩

 72手目△7五歩と歩をついた局面。評価値は先手+75で互角。ここで先手が指した▲5三歩が人間的には絶妙種と絶賛されている。ソフト的にも候補手の一つでこのあたりはソフト評価も13億手読んでも揺れていて難しい局面。結局、▲5三歩を指したあとの評価値は先手+173とソフト推奨手の上を行く評価値となっており、ソフトも気づきにくい好手であった模様。ただし局面はあまり差がなく互角のまま。

78手目△7四金

図は△7七歩成と桂馬を取ったのに対して77手目で▲7七同金と指した局面。ここでの評価値は先手+231と先手がやや良いながらもまで形勢互角が続いている局面。ここでのソフト読み筋△7六歩と歩をたたく手に対して本譜は△7四金と歩を払った。この手が疑問手で評価値は先手+623と先手有利に傾いた。

90手目△3三歩打

 図は△7六歩に対して89手目▲7六同金と歩を取った局面。この時点では先手がじりじりリードを広げて評価値は先手+963と先手優勢となっている。この局面でのソフト推奨手は△8四桂であったが本譜は△3三歩と受けた。この手が疑問手で評価値は先手+1874となり一気に先手勝勢となった。

 このあとはソフト読み筋どおり▲4四飛(34)△同歩(43)▲4一銀打と進み一気に形勢が動き99手目の▲64馬(最初の図)の局面(先手+4410)で後手投了となった。

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