第91期棋聖戦五番勝負第3局

将棋

 渡辺明棋聖に藤井聡太七段が挑戦する第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第3局が、7月9日(木)に東京都千代田区の「都市センターホテル」で行われ、渡辺棋聖が藤井七段を142手で破り、五番勝負の成績を1勝2敗としました。
※日本将棋連盟WEBページより引用

棋譜解析結果

開始日時:2020/07/09 09:00
終了日時:2020/07/09 19:12
棋戦:第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第3局
戦型:角換わり腰掛け銀
持ち時間:各4時間
消費時間:142▲239△227
場所:東京・都市センターホテル
先手:藤井聡太七段
後手:渡辺明棋聖

 角換わり腰掛け銀の一戦ほぼ互角の状態から少しずつ後手がリードして行きそのまま押し切った。この2人の対戦はリードした側がほぼソフト読み筋どおり指して行き徐々にリードを広げていく形が多い。最強対決ではなかろうか。

 棋譜分析はAprey_WCSC28で一手10秒(約2千万手)の読みで作成、じっくり読ますと評価値がかなり変わるので、形勢が傾く部分は以下に10分以上(10億手以上)読ませて解析している。

局面図

90手目△9九飛

感想戦のときに渡辺棋聖がこのあたりまでは研究で並べたことがあるという局面。後手が選んだだけあって後手-15とほぼ互角。

99手目▲9四桂

98手目△1三玉の局面。評価値は0でここまでは全く互角で進んだ。ここでのソフト読み筋は▲4三成銀だが、本譜は▲9四桂。評価値は後手+213とまだ互角ではあるが少し後手に動いた。

103手目▲9五歩

102手目△9四同香の局面。ここでの評価値は後手+262でソフトの読み筋は▲9六歩△9五歩▲9五同歩。それに対して本譜は▲9五歩と指したため(タイトル図)、ソフト読み筋に対して同一局面で後手の持ち駒が1歩増えることになり後手+590と後手有利になった。

107手目▲8二歩

106手目△9三桂の局面。ここまではソフト読み筋どおり進み徐々に評価値が大きくなり先手+790。ここでのソフト読み筋▲3三歩に対して本譜は▲8二飛。この手が疑問手で評価値は後手+1283となり後手優勢に

113手目▲8二歩

112手目△7八馬の局面。評価値は後手+1271。ここでのソフト読み筋は▲9六金であるが本譜は▲9四歩。評価値は先手+3011となり一気後手勝勢に。

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