直島、倉敷 2020年3月2日 – 2020年3月4日

旅行

 当初は前年に引き続き9連休を確保し、家族での海外旅行を予定しておりました。バタバタしていて準備時間があんまり取れなかったので2月29日から3泊5日でシンガポールを予約。ところが、1月6日に厚生省から新型コロナウィルスについての注意喚起(新型コロナウイルスに関連した肺炎患者の発生に係る注意喚起について 別添2)がなされ1月16日には日本で最初の感染者が発生しました。

 その後国内の危機感が急速に高まって行くなか2月13日には日本人最初の感染死者がでました(日経新聞記事)。その頃にはシンガポールでも感染者が増加しているうえに感染爆発が発生している中国と交流ありそうでやばいってことで旅行中止は決めていたのですが、いったんキャンセル料支払ったのち出国停止等で旅行中止になってもキャンセル料は返還されないということ(こんときは、そんなんあり?って思ったけど)なのでしばらくキャンセル我慢のチキンレース状態になりました。そのうち、我慢比べで負けてキャンセル料がさらに増えるぎりぎりの2月22日(出発1週間前)にキャンセル料20%を支払いました。結局、最後まで中止にはならなかったようです。

 代わりに、国内旅行なら良いでしょうと以前から行きたいと思っていた直島に決めて準備を進めました。

 一方世間では2月25日には休校要請等(新型コロナウイルス感染症対策の基本方針)が出され東京ディズニーリゾートは2月29日から休園、3月3日から全国で学校・美術館等が一斉に休校・休館になるなどして急速に自粛ムードが広がり、旅行先の美術館は休館はなるわ、この時期旅行なんてとんでもないわという空気のなか、後ろめたさを感じながらひっそりと2泊3日の旅行をしてきたのでした。

1. 準備

1.1 旅行計画立案

 旅行の計画は2月22日(土)にシンガポール旅行をキャンセルして即断即決で23(日)一日で立てました。日程は海外旅行後半の日程に合わせて2日~4日としてまずは行き先を直島に決定。今回の旅行のコンセプトとしては海外旅行の代替ということなんで比較的リッチな選択で行こうかなということで宿泊は直島の王道、ベネッセハウフスにしました。

 家族4人だと他の移動手段に比べて車が圧倒的に経済的なので、昔から国内旅行はどこへ行くでも車でしたが、今回は必要に応じて現地でレンタカーを借りことにしそこまでの移動は時間重視で車はやめました。直島への入り方は四国側からと岡山側からの2種類あって飛行機で四国まで行くか新幹線で岡山に行くかの選択になりますが自宅が新横浜の近くにあり料金的にも時間的にも有利ってことで新幹線で岡山側から入ることにしました。

 もう一泊は、直島から近いところで倉敷を選びましたが車借りて四国へも足を延ばしてみたいってのがあって瀬戸大橋の近くに宿をとることにしました。

 もともと直島の美術館は月曜日休館なので移動初日はゆっくりと出発して直島のベネッセホテルでゆっくりとして2日目午前中に美術館めぐりをして午後から倉敷に移動。途中でレンタカーを借りてホテルまで車で行って、周辺を観光。次の日は四国を回って最後は倉敷駅周辺を観て岡山から新幹線で帰る予定にしました。

1.2 事前予約

1.2.1 直島(ベネッセハウスと地中美術館)

 普段はJTBか楽天トラベルを使うのですがベネッセハウスは扱っていなかったので、一休.comからベネッせハウスの予約をしました。ベネッセハウス パークデラックスツインってコースでした。

 直島と言えば地中美術館でしょっていうことで、予約が必須なのでオンラインチケットを購入しました。

 ところが、2月25日の厚生省の基本方針(休校要請等)を受けて3月3日から地中美術館は休館することになってしまいました。ベネッセハウスからは地中美術館をはじめ周辺の美術館がのきなみ休館になったので、旅行自体をキャンセルする?って問い合わせが来ましたが、ホテル内の美術館はやってるってことだったので行くことにしました。

1.2.2 倉敷せとうち児島ホテルと新幹線

 倉敷のホテルはJTB(国内ダイナミックパッケージ)で探しました。瀬戸大橋のながめが素晴らしい倉敷せとうち児島ホテルを選んで希望時間帯と人数を言っとくと往復の新幹線の座席まで予約までしてくれるのですが、これがとてもお得で驚きました。ホテルの宿泊費(朝食つき)混みで往復の新幹線料金より安いです。しかも、他の日を別の場所で宿泊しても往復の新幹線・飛行機の座席はちゃんと予約できます。今回は1泊目は一休でとって2泊目をJTBでとったのですが往復新幹線の座席はきちんとその行程で予約してくれました。国内出張とかでも活用できるのではないかと思います。

1.2.3 レンタカー等

 今回は旅行自粛ムードでちょっと行程が読めないし、人も少なそうだし、いつになく計画がきちんと立てれてないので、レンタカーやその他施設については何も予約なしで行きあたりばったり作戦でした。車を借りること自体は当日でも問題なかったですが、瀬戸大橋を渡る場合はETCの方が半額ぐらいになってお得なのでETCが借りれないか調べておくべきでした。今後はレンタカー借りるときはETCのレンタルについても確認しようと思います。

1.3 持ち物、その他

 国内2泊と短く、その他は特に特別な準備はありませんでした。

2. 旅程

2.1 直島

2.1.1 3月2日(月)

17:08 ベネッセハウスミュージアムから西向きの風景

 比較的ゆっくりと8時過ぎに自宅を出発し新横浜駅から新幹線で岡山駅まで。新型コロナによる自粛で新幹線もがらがらでした。岡山駅からは高速バスで宇野港まで。ひとつ手前で降りて池田屋本店で13時からお昼ご飯。

13:26 池田屋本店で昼食

ゆっくり食べたあと14:25宇野港発のフェリーで直島の宮浦港へ。フェリーでは大学生の団体が2組ぐらい同乗していました。

14:39 宮浦港赤かぼちゃ 草間彌生作

 14:55のベネッセハウス宿泊ゲスト専用バスでベネッセハウスパークに向かい15時過ぎにチェックイン。普段なら欧米系のお客さんで溢れかえってるらしいのですが、さすがにこの日は誰もいてないです。自分たち家族だけで行動開始。もともと地中美術館は月曜日は休館なんだけどシャトルバスは動いてるだろうと思いきやそっち方面は動いてないとのこと。歩くと30分以上かかるとのことですが、モネの池とかは見れそうだし、途中に点在してるアート作品を鑑賞しながら地中美術館まで歩いていくことに。

 ベネッセハウスパークの建物は安藤忠雄作です。うちっぱなしのコンクリートに自然光を取り入れたスリットと天窓や蛍光灯が埋め込まれたスリットによる採光の妙を楽しみながら建物内を通って外にでます。浜辺に展示されてるさまざまなアート作品を鑑賞しながらぶらぶらしました。

 そこからかなりハードなアップダウンの道を30分くらいかけて歩いて地中美術館まで行きましたが、地中に埋まってる施設なので外からみても何も楽しくないしモネの池を真似た地中の庭もなんちゃないです。そこからまた30分かけて歩いて帰るわけですが、途中のベネッセハウスミュージアムは開館していました。他になにもないということもありましたが安藤忠雄の建築物と現代アートをじっくりと楽しむことができました。ベネッセハウスの敷地にはいってからはほとんど他のお客さんは見なくなり、お散歩中も一人旅ふうの外人さんを2人みかけただけでした。

 18:00からはベネッセハウスパークのテラスレストランでディナーです。広いレストランでなんと客は自分たちだけというすごい体験をしました。普段はもちろん満席で半分以上が欧米からのお客さまのようです。お料理はとても凝ったものでとても美味しかったです。地元の素材(豊島の塩とか)をふんだんに使っていました。イケメンのフロアーのお兄さんも愛想が良く充実した時間でした。

18:30 テラスレストランでのディナーはなんと貸し切り状態

 食後もゆったりとパーク棟や途中の廊下に展示されている(廊下そのもの)アートをゆったりと堪能できてとても贅沢な時間を過ごせました。

2.1.2 3月3日(火)

6:47 パーク棟から高松市方面を望む

 2日目はテラスレストランで朝食。とても美味しくボリューム満点でした。

7:47 テラスレストランで朝食

その後本来は閉館している本村地区にある古い民家を活用して現代美術を展示している「家プロジェクト」のうち特別に何棟かの建物を開けてガイドツアーを開催してくれるとのこと。他に観るものもないので、あんまり期待せずに参加しました。ベネッセハウス宿泊ゲスト専用バスで直島港ターミナルに移動しそこでガイドさんと待ち合わせです。英語ガイドと日本語ガイドに分かれて行動することになり日本語ガイドはまたもや家族4人だけでした。本村地区は民家を大々的に改装して現代アートを展示したもの、民家の壁面にちょっとした芸術作品を施したもの、また普通の民家が外装をおしゃれに飾っているもの等街全体がおしゃれで道を歩いているだけで楽しかったです。

 残念ながらANDO MUSEUMは入館できませんでしたが、「家プロジェクト」のうち「角屋」「碁会所」「南寺」「護王神社」は施設内に入って見学させていただきました。どれも素晴らしいですが、そのうちでも「南寺」はずば抜けてます。この旅行で一番良かったぐらいで「これは絶対いくべし!」と強くお勧めいたします。あんまり期待してなかったけどこのガイドツアーに参加でしてホントよかったです。

11:09 「護王神社」祠の下の地下室

ガイドツアーが終了したら、またまたベネッセハウス宿泊ゲスト専用バスで宮浦港に向かい12:05発の小型旅客船で宇野港へ向かいました。今回は地中美術館が閉館していたためモネの絵画がみれなかったこともあり、普段は避けがちな現代アートにどっぷりつかることができました。貴重な体験でした。

12:05 宮浦港から小型旅客船で直島を離れました

2.2 倉敷

2.2.1 3月3日(火)

15:30 ホテルから望む瀬戸大橋と島々

 12:20に宇野港に到着したら、宇野駅から宇野線~瀬戸大橋線で児島駅まで行って駅そばの平成レンタカー児島駅前店で車を借りました。14:00から36時間ってことで。お腹が減ってたのでまずはブラジリアンパーク 鷲羽山ハイランドで何か食べてから時間をつぶそうと思ったのですが閉園していた上に、一部営業していたレストランも14時閉店でぎりぎりアウト。しかたがないので車で少し行ったふく仙 本店で遅いお昼ご飯になりました。和食はとても美味しかったです。

14:33 ふく仙 本店でのお昼ご飯

 食後、岡山 倉敷せとうち児島ホテルにチェックインしたら少し瀬戸大橋&島々の風景を堪能して即行動です。

 取りあえず四国を攻めようってことで、まるでウユニ塩湖のような美しい水鏡が見られることからインスタ映えする写真が撮れると評判を聞いたことがあった父母ヶ浜(ちちぶがはま)に目標を定めました。初めに瀬戸大橋を超えようとしてまずビックリ。橋渡るだけの児島ー坂出間がなんと3,720円って書いてあるじゃないですか!思わずUターンしそうになりましたが、まあしかたないと涙をのんで橋を渡りました。

 父母ヶ浜(ちちぶがはま)はコロナ自粛もどこ吹く風で、若者たちで賑わっておりました。この旅行で唯一、人がいっぱり溢れていた場所でした。

 帰りは他のルートないのかと調べたら高松-宇野のフェリーが2019年12月に廃止になったようで代替手段もなく帰りも4,000円近く払って瀬戸大橋を渡りホテルに帰ったのでした。あとから調べたらETCだと平日は1,800円だったらしくって「そういえばレンタカー屋さんでETCの貸し出しとかあったな」と。もう少し詳しく調べときゃよかったと思いました。まあ、今回は準備不足なもんでいろいろ反省点はあります。

 夕食はホテルのサロンthe Surf&Turfでいただきました。この時も家族以外にはお客さんが一人だけで、ゆったりとした空間を楽しみました。部屋に戻っても宿泊客も誰もとも遭わず展望露天風呂も使った形跡がないようなぐらいで、豪華な施設をのびのびと使わせていただきました。

2.2.1 3月3日(火)

13:02 坂出山下うどんのかき揚げうどん小 400円

 3日目は朝から雨でした。朝食は昨日のサロンでいただきました。バイキングではないですが、しっかりボリュームもあって十分満足できるものでした。

 この日は、平成レンタカーのスタッフが実際に確認しながら作成したという香川うどん案内マップを参考にうどんの食べ歩き予定でしたが、「往復1万円近く払って橋わたってうどん食べに行くか?」ってちょっと考えちゃいました。まあ、ここまで来たら行くしかないでしょってことでレンタカー屋さんお勧めのうどん店をはしごしました。短時間でうどん店をはしごするって事自体想像もしてなかったですが、こういった楽しみ方が普通らしくどの店のにも小うどん(200円ぐらい)ってのがありました。

 最初に行った山越うどんは釜玉うどん発祥の店らしく釜玉うどんをいただきました(800円/4人)。次は日の出製麺所。ここは営業時間が11:30-12:30の1時間だけで、なんとか閉店ぎりぎりに滑り込むことができました(550円/4人)。最後は坂出山下うどんに行きました(1,600円/4人)。ここは典型的な香川県のうどん屋さんという雰囲気でかき揚げうどんをいただきました。どこも小うどんを食べましたがそれにしても信じられない安さでした。

 往復1万円弱かけて安いうどん食べたのでこの旅行の最後の目的地の倉敷大原地区に向かいます。倉敷市営中央駐車場に車を止めて暫く散策です。倉敷と言えば大原美術館ははずせないところで、まずは、印象派やエル・グレコ『受胎告知』等の絵画を中心に芸術作品を楽しみました。大原美術館と言えば僕の好きな作家の原田マハさんが最初に学芸員として努めた美術館でもあるようです。

14:50 大原美術館で美術鑑賞

 大原美術館の周辺の倉敷美観地区はとても風情がある美しい町並みで、京都や鎌倉に少し似ている感じです。このあたりも、自粛中にしては結構にぎわってました。

16:07 倉敷美観地区のおざきやで団子をいただく

 いよいよ旅行も最終局面、次は岡山駅に向かいます。せっかくなので岡山城に立ち寄ることにしました。

17:43 既に入館時間はすぎていたので外から眺めるだけ

 岡山城見学が終了したら平成レンタカー岡山駅前店に車を返却。家族旅行最後の晩餐は魚民岡山駅前店でチャンコ鍋を食べたのでした。

 岡山駅からは20:36発ののぞみ64号に乗車。社内は空席だらけでゆったりできました。24時頃に無事自宅に帰りついたのでした。

3. まとめ

3.1 費用

家族4人の直島・倉敷2泊3日の総費用です。

費目金額(円)内容
ホテル&新幹線255,214ホテル、新幹線、ガイドツアー
交通4,530在来線、高速バス、船、タクシー
食費46,971滞在中の食費
観光4,400施設入場料金、ガイドツアー
お土産770お土産(倉敷)
37,139レンタカー、ガソリン、駐車料、有料道路
合計349,024

なお、この旅行の前に計画していたシンガポール旅行のキャンセル料(20%)は137,000円でした。

蛇足ですが、キャンセル料についてJTBと交渉していたときは既存のルールに従ってキャンセル料取られることに理不尽さを感じましたが、コロナ渦で客が減ったり自粛要請を受けて営業停止して収入が激減した事業者を一律公的資金で補助するよりは、もともとそういうサービスを利用して人が中心になって補助する方が良いのかなという考えのもと、キャンセル料没収は補助金として良いのかなと思ったりしました。そうは言っても、この前後にキャンセルせずに欧州旅行にいった学生さん等がボコボコにたたかれるのはどうかなとも。卒業旅行のためにバイトなどでお金を貯めて楽しみにしてきたのに、次にいついけるかもわかない状況の中で多額のキャンセル料を支払ってでも旅行取りやめるのが当然でしょって論調。夜の店の自粛要請などもそうですけどね。もうちょっとお願いっぽくならないでしょうか。

3.2 訪問地

コメント

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